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今より幾年も前のこと、悪夢の王(*2)と呼ばれる存在にして現象である物に、少女ユナは夢を越えてシェリストンへと流された。 その世界には、遥か時の彼方にその地に誕生した種族や、少女のように他の世界より流されて来た者等が混在し世界を作り上げていた。 そんな世界で、少女と猫は出会う。猫は幼い少女に一つの約束をした「おまえを親のところに帰してやろう。何年かかろうが必ずな」。 少女は猫と約束をした。それは契約であり、誓いであった。 「おまえがおまえである証として、これだけは忘れるんじゃないぞ。俺が爺さんから受け取った名前を。おまえが俺の名前を忘れない限り、俺は必ず誓いを果たす」 猫は少女にそう告げて戦いの野に降り立った。少女の盾となるために。 その純白の身体を翻し。 それから、6年の歳月が流れた。 幼かった少女は成長し、自らの足で世界を歩く力を手に入れていた。 仲間を得、世界を巡り、彼女は猫を探していた。 猫との再会を果たし、故郷に帰るために。 彼女は舞台の地に降り立った。 そこで、彼女は猫に出会った。 しかし、それは誓ってくれた猫ではなかった。 それは、白い猫より巨大で、尊大傲慢な黒い猫。 その猫は言った「奴なら近い内に姿を見せるだろうぜ。なにせ嵐が近づいているからな」 こうして、黒い猫と少女の物語が始まった。 |
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*1:その世界の一地方民族の言葉で「世界」、あるいは「宇宙」という意味。 *2:その世界における自然現象であり、また意識をもった集合体でもある。 |